水産サステナビリティ寄附講座
教育研究領域の概要
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FACULTY’S VISION 水産サステナビリティ寄附講座設置の目的
世界の生産量(漁業と養殖)は毎年増加を続けています。1980年代に1億㌧だった生産量は現在では2億㌧を超えています。ただし日本は対照的に同1,200万㌧から3分の1の400万㌧に減ってしまい毎年減り続けています。水産物の需要は年々増加しています。水産資源を持続的にすることは急務です。
水産物の国際取引は急速に拡大し、すでに世界の水産物の3割以上が輸出に仕向けられています。 日本は輸入大国であると同時に、近年は輸出にも力を入れています。世界的なトレンドである水産物の輸出を増やして行くためには、その元となる水産物が必要です。その中で、水産物を扱う企業の社会的責任として、フードシステム全体の持続可能性が問われるようになってきています。
水産資源の持続可能性にとどまらず、流通の透明性、労働者の人権、消費者に適切な情報が開示されているかなど、広範な規範への対応が求められています。水産業の持続的な発展のために、漁場から食卓に至るまでのフードシステム全体の持続可能性について、理論と実践の両面から、高度な知識を習得した人材の育成が急務です。
教育研究領域の概要
本講座は国際的な水産ビジネスを行う上で必須である持続可能性を確保するために、その理念に鑑み、漁業生産(漁業管理の理論)から、流通・小売・消費(表示、認証、トレーサビリティ、調達方針などの設計)に至るまでの水産物フードシステムにかかわる全てのプロセスにおけるサステナビリティの確保に向けた体系的な知識を習得させるための教育研究を行います。
水産資源管理、トレーサビリティ、エコラベルなどの理論を体系的に学び、事例分析を通して、これらの理念がどのように社会実装されているかを習熟します。フードシステムの各段階のサステナビリティについて、理論と実践の両面から、体系的な教育を施すことで、水産業の持続的な発展に貢献できる人材の輩出を図る。現役の学生のみならず、社会人を対象としたリカレント教育も担います。
CURRICULUM 新設科目
大学院博士前期課程の専攻の中に2単位の授業「水産サステナビリティ概論」および「水産サステナビリティ演習」を設けています。
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水産サステナビリティ概論
01
人口増加などで世界の水産物需要は年々増加し、世界では水産業は成長産業になっている。そこで北欧・北米・オセアニアなど水産業を成長産業にしている国々から具体的な事例を取り出し、日本と比較して改善点について考えていく。また、現在に至る歴史的経緯を検証していく。
次に持続可能な水産物フードシステム(生産・流通・小売・消費)を構築するための基本的な理論を習熟し、システムの各段階における制度・政策のあり方について、事例分析を踏まえながら講義する。水産物の持続可能性の評価基準と水産物フードシステムの構造への理解を深め、持続可能なフードシステムの構築に寄与できる人材を育成する。
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水産サステナビリティ演習
02
水産業のサステナビリティで先行しているノルウェーなどの国々でケーススタディをしながら、どうしたら良くなるか演習を通じて学んでいく。
そして持続可能な水産物フードシステムを実現するための理論と応用について習熟する。国内外の資源管理、トレーサビリティ、エコラベルなどの理論についての理解を深め、フードシステムの各段階においてこれらの理念をどのように社会実装するかについて、事例分析を踏まえながら講義する。
実際の統計資料やエコラベル認証基準をもとに、フードシステムの持続可能性についての評価作業を演習形式で学習する。トレーサビリティシステムの効果やブランディング戦略の有効性などを実習形式で検証する。
これらに加え、4単位の「水産サステナビリティ特別演習」、8単位の「水産サステナビリティ特別研究」も設けて研究教育を図る。
その他
リカレント教育の実施
水産資源管理、トレーサビリティ、エコラベルなどの理論を体系的に学び、事例分析を通して、これらの理念がどのように社会実装されているかを習熟する。フードシステムの各段階のサステナビリティについて、理論と実践の両面から、体系的な教育を施すことで、水産業の持続的な発展に貢献できる人材の輩出を図る。現役の学生のみならず、社会人を対象としたリカレント教育も担う。
単なる一方的な講義に留まらず、インタラクティブ(双方向のやり取り)になるようにし、実際に各地の水産業で起こっていることをケーススタディとして、参加者とともに水産資源管理における問題の本質を理解し解決策について考えていく。
WEBとリアルを併用し、詳細は新着情報を通じてお知らせし2026年の春をめどに開始予定。
MESSAGE これから学ばれる皆様へ
現有組織の構成状況及びそれらに
照らした寄附受入れの必要性
近年、漁業・流通・小売・消費など、個別のプロセスではなく、フードシステム全体を通して、持続可能性を担保することが、企業の社会的責任として要求されるようになりました。水産ビジネスの現場において、水産物フードシステム全体を俯瞰し、ボトルネックを特定した上で、適切な対策を立案できる人材が強く求められています。
さまざまな機関において、漁業から消費の各段階における持続可能性に関連する研究・教育がおこなわれているものの、フードシステム全体の持続可能性について、理論と実践の両面から、高度な知識をトータル的・体系的に学ぶことができる機関は乏しいことから、当該の寄附講座を設けることがこの分野の研究教育内容の充実に有意義なのです。
持続可能な水産物フードシステムに関する理論と実践を習熟した人材を育成することで持続可能な水産業の発展に寄与すると同時に、人材育成を通して、SDGsへの関心が高い企業と持続可能性をテーマに連携することで、研究成果の社会実装の促進も期待できます。